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最新掲載日:2002・09・22

 M.Rさんから9月14日の「走りぬけ!廃案へ!!百万人署名運動全国集会」に参加されたご感想と翌15日、大阪で催され、今年で28回目になる「エイサー祭り」のようすとその歴史についてお便りを頂きました。 とても興味深く読ませて頂きました。
 件名: 「走りぬけ!廃案へ!!」、
                 そして「大阪のなかの沖縄」へ
 
 日  付:  2002/09/20
 差出人: M.R.さん (千葉県連絡会)
9月14日の「走りぬけ!廃案へ!!百万人署名運動全国集会」に参加してきました。

 梁石日さん・朴慶南さんの対談は好企画だったと思います。梁さんの「9.11現地体験談」、有事
法制、小泉訪朝といった問題に「在日」の視座から鋭い指摘が下されました。朴さんの「在日は炭
鉱のカナリア。在日が生きていく酸素が失われつつある」という言葉にハッとしました。有事法制を
批判するとき、ともすれば「国民」の人権侵害とか、「国民」を戦争に参加させるなといった言われ
方がされますが、「国民」でない者にはもっと大きな圧迫が加えられるんだぞ、という在日の「叫び」
として、日本人はこの言葉を受けとめなければならないと思いました。

 もう少し対談の時間があれば、有事体制と日本の排外主義の問題を中心に、より突っ込んだ話
が聞けたのではないかという気がしました。そのあたりはちょっと惜しかったですね。

 そして翌15日は大阪に移動し、今年で28回目になる「エイサー祭り」を観てまいりました。

 沖縄の風が吹く街、大阪市大正区。区民8万人のうち、実に4分の1を沖縄出身者およびその
子孫で占める、「大阪のなかの沖縄」です。現在は同区の平尾、南恩加島(JR大阪環状線・大
正駅からバスで10分ほど)を中心に沖縄人が集住し、平尾本通商店街を歩くと沖縄の食材や物
産なんかが、ごく自然に店先に並んでいます。大正駅周辺にも、多くの沖縄料理店があります。

 20世紀初頭、大正区三軒家にあった紡績工場に、当時経済的に苦しかった沖縄から、多くの
出稼ぎ労働者がやってきたのが、そのルーツです。当初の沖縄人集住地域であった北恩加島
の一角は区画整理により水没しましたが、そこはひとたび雨が降るとズブズブになるような低湿
地帯だったそうです。
 「クブングァー」と呼ばれたその劣悪な環境のなかで身を寄せ合い、差別を恐れて押し入れの
中で三線を弾いたという大正区の沖縄人たち。また、高度成長時代に親類縁者を頼って大阪に
出てきた沖縄の若者たちも、就職差別や偏見に苦しみました。そんな中で結成されたのが「関西
沖縄青少年の集い・がじゅまるの会」(現名称は「関西沖縄青年の集い・がじまるの会」)。差別の
構造を打ち破り、大阪に、ヤマトゥに沖縄人・沖縄文化の存在を認めさせ、誇りを持って「沖縄で
あること」を発揮していこうと「がじゅまるの会」が始めたのが、この「エイサー祭り」です。
 1975年に始まって以来第28回を迎え、大正区の風物詩としてすっかり定着したようです。
京阪神地域のみならず東京や愛知のエイサーグループも招かれ、勇壮な踊りを披露してくれま
した。

 大正の隣駅、JR芦原橋駅近くには大阪人権博物館「リバティおおさか」があります。「被差別
部落」「在日コリアン」「アイヌ」「障害者」などとともに「沖縄」コーナーがあり、関西の沖縄人の
闘いや、移民の歴史などを展示しています。同館では2000年の秋に特別展として「ヤマトゥの
なかの沖縄」を開催、私も行ってきましたが、豊富な資料から異郷の地で呻吟、苦闘する沖縄
人の歴史を学び、胸に迫るものがありました。その展示図録は同館のミュージアムショップで、
今も販売されていると思います。

 皆様もぜひ、関西方面に出向かれた折には、大正区や「リバティおおさか」を訪れてみては
いかがでしょうか。

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